ホストクラブのシャンパンタワー

節度を持って楽しめれば問題ないホストクラブ通いですが、担当のホストに入れあげて何十万円、何百万円というお金がホストに消えていった人、借金まみれになった人は少なくありません。
ホストクラブと金銭的なトラブルを抱えてどうにもならず、相談に来る方も増えています。ホストクラブに通っていつのまにか多額の借金を作ってしまった時、どうすればいいのでしょうか?今回はホストクラブとのトラブル事例や対策法について解説します。

ホストクラブの売掛金システムがトラブルになりやすい理由

ホストクラブでは、売り上げや指命本数などでホストがしのぎを削っています。自分のお気に入りのホストを何とかして上位に上げてあげたいと考えるのは仕方ないこと。また、ホストから売り上げを上げるために「シャンパンを入れて欲しい」「このボトルを入れて欲しい」と言われ、頼られていると感じて要求を飲むケースも少なくありません。

また、お酒の席で煽られてテンションが上がり、どんどん高額のお酒を注文してしまって気がつけば高額の請求が来たというケースもよくあります。
ホストクラブでは、基本的にその日の飲食代は当日払いです。一般的な飲食店と同様に、クレジットカードや現金で支払うことになりますが、中にはその日の飲食代が20万円、30万円という高額になるケースも少なくありません。

その日一括では支払えない代金は、通常「売掛金」として扱われ、期日までに支払う約束をとりかわします。時には分割払いで返済していくことも。しかしこれがホストトラブルのもとになっています。

売掛金が永久に減らない

基本的には当日現金またはカード払いのホストクラブの料金ですが、その日のうちに払えないくらいの高額な料金を請求され、やむなく売掛にするケースもあります。

返済は振込対応してくれる良心的なホストクラブもありますが、悪質なホストクラブや、売り上げをなんとかあげたいと考えるホストが相手だと厄介です。返済は店頭でのみ受け付ける、借りた金を返すなら店に来るのが筋だろう、などといろいろな理由をつけて責められ、店に呼び出されるケースが後を絶ちません。

女性は返済するためにホストクラブを訪れますが、そこでお酒を飲むよう強要されたり、言葉たくみに誘われたりしてしまい、断りきれずにまたホストクラブ売掛が溜まっていくという悪循環になるのです。

分割払いにして高利息を要求するケースも

売掛金が高額になってしまい、その月の収入では賄えない時には、分割払いに対応してくれるホストクラブは少なくありません。しかし悪質なホストクラブでは、借用書を書かせても控えを渡さず、客が売掛金の正確な金額や利息などの条件を把握できない状態にしておくところもあります。

実際に被害を受けた人の中には、「最初はトータルで50万円と聞いていて、30万円を返済したのに残額は40万円と言われた」というような人も少なくありません。

ホストクラブの売掛金を払えなかったらどんなトラブルになる?

ホストクラブの利用料金は高額になりがちです。一晩で数百万使うような太い客もいます。ホストクラブでは売掛金システムは常用されていますが、もしもホストクラブの売掛金を支払わなかったらどうなるのでしょうか?

取り立てで脅迫、恐喝される

ホストクラブでは、その月に回収できなかった売掛金はホストが立て替えるというシステムをとっているのが一般的です。もしも売掛金を支払わない客がいたら、自分の給料が減ってしまいます。

そのため、なんとしても売掛金は回収しなければなりません。当然取り立ても厳しくなっていきます。中には支払わない女性客に対して暴力を振るって支払いを強要したり、複数人で取り囲む、「払わないとどうなるかわかってるよな」や「AVに出ろ」と強要されるといった脅迫、恐喝の被害も多発しています。

消費者金融や闇金に連れて行かれる

「どうしても払えないならこの場で借金しろ」と言われ、消費者金融に連れて行かれた・闇金と契約させられたというような被害に遭うケースもあります。消費者金融などとの契約は女性客の個人名で行うため、消費者金融などとの契約は原則有効となります。

しかし、ホストから脅迫や恐喝されて自分の意思ではない状態で契約した場合は、脅迫や恐喝を理由として消費者金融契約を無効にできる可能性があります。

実家や勤務先に売掛金の回収に来る

ホストクラブの多くは、初回入店時に身分証明書を提示しなければなりません。また、売掛金が発生した時点で借用書を書かせ、本名や住所、連絡先などを把握する店がほとんどです。本人に取り立てができなければ実家や勤務先を割り出し、そこに取り立てに来るケースも多いのです。

家族や会社は、保証人でもない限り、本人が作った売掛金を代わって返済する義務はありません。しかし家族に対して「娘さんから当店の飲食代を支払っていただけずに困っているのですが」などと切り出し、そこから上手に交渉して家族から売掛金を回収する手口は十分把握しています。

それに、女性客にしてみても、実家や勤務先に取り立てに来られることはできれば避けたいもの。「実家に行って返してもらう」「○○会社の上司に相談する」とホストが伝えるだけでも、十分に相手にとっては脅威です。

風俗に落とされる・援助交際を斡旋される

ホストの売掛金トラブルで多いのが、売掛金回収のために風俗店や売春を斡旋されることです。普通に働いていたのではとても返済できる額ではない売掛金がある場合だけではなく、「風俗で働いたらすぐ返せるから」と言葉たくみに言われて風俗業界に足を踏み入れる女性はあとを絶ちません。

過去には、ホストクラブでできた売掛金を回収するために傘下の風俗店で女性を働かせ、その売り上げでまたホストクラブを利用させて売掛金を作る、といったことを行なっていた悪質な事件もありました。

ホストクラブにはまってしまい、何百万円という借金を背負っている人の中には、一度痛い目を見てもなかなかホストから足を洗えず、風俗業界にはまって抜け出せなくなるという人は少なくありません。

ホスト通いで作った売掛金を減らす4つのポイント

一晩で数十万になることもあるホストクラブの飲食代。しかし、いくらなんでも高すぎるのではないでしょうか?ホストクラブの利用料金、請求されたままに支払わなければならないのでしょうか。

ホストクラブといっても、レストランなど他の飲食店やショップと同じく、客が自由意志で利用して飲食をしていることに変わりはありません。そのため、高額であってもホストクラブからの請求額は支払い義務があるというのが原則です。しかし例外的に支払い義務が免除されることがあります。
支払いをしなくて良くなる4つのケースを解説します。

1.脅迫や恐喝が手段になっている

もしも売掛金がホストからの暴力や恐喝などで作られているとしたら、この売掛金には支払い義務はありません。

例えば、日頃から暴力を振るわれている女性が「店に来ないと殺す」などと脅されて恐怖心からホストクラブに行き、多額の注文をさせられたといったような場合です。実際にこのケースが裁判になったこともありますが、裁判所は、ホスト自身が注文したと同視できるため、女性に支払い義務を認めませんでした。

ケースにもよりますが、脅迫や恐喝が手段となって売掛金が発生している場合にはその契約を無効にできることがあります。

2.不完全な手順で借用書を作成された

ホストクラブで売掛金を残すと、借用書を書かされます。しかしホストトラブルで相談に来られる方の多くは、借用書の控えをもらっておらず、どんな内容になっているのかを把握していません。中には借用書ではなく伝票にサインをしたというケースもありました。
そもそも、このような借用書は有効なのでしょうか?

原則として、控えが手元になかったとしても売掛金の内容や利息、支払日など必要な情報についてしっかりと説明された上で同意して署名をしたのであれば、借用書は有効です。ですが、「とりあえず書いてくれればいいから」と言われて内容については説明がなかったり、金額や利息などの数字が空白になっている借用書にサインをしたりした場合は、その借用書は法的に無効です。

3.高額な利息は利息制限法に違反して無効

売掛金に関する借用書をチェックしたところ、利息が25%と明記されていたというケースも。100万円の売掛金があったとすれば、1年間の利息は25万円もつく計算になります。利息を設定するときには利用者である客の合意が必要です。また、利息はいくらでも良いわけではなく、利息制限法によって上限が決められています。

利息制限法によれば、100万円以上の売掛金に対して利息は最大15%までしか設定できません。先ほどの例では25%と設定されていましたが、15%を超える分は利息制限法に違反するため無効となります。

また、そもそも売掛金についてホストクラブやホストと話をし、借用書を書く段階で利息についての取り決めがなければそもそも利息は発生しておらず、支払い期日に遅れた場合にのみ、遅延損害金の5%が利息としてかかることになります(民法404条)。

ホストクラブで売掛を作ってしまった時には、しっかりと売掛金の総額と利息について確認しておきましょう。

4.1年以上請求がなければ消滅時効が成立する

ホストクラブを利用して売掛金を作ったとき、法律的にはホストクラブという店舗と客との消費貸借契約が成立していることになります。そうすると売掛金の時効は1年となります(民法174条)。

すなわち、お店やホストから売掛金の請求もせず、相手からも返済がなく、何の音沙汰もないままに1年が経過してしまうと、店舗側は二度とその売掛金の返済について請求することができなくなるのです。

ちなみに、店によってはそういったことを防ぐため、ホスト個人と客の間で消費貸借契約を結ばせる店もあります。このようにすれば、消滅時効が10年に延長できるからです(民法167条)。

しかしこの方法が認められてしまうと、本当ならば1年の消滅時効で良かったはずがその10倍の期間が必要となります。債務者である利用客にとっては不利益を被ることになるため、ホストクラブの売掛金についてホスト個人と消費貸借契約を結んだとしても公序良俗に反して無効です。

実際に多いその他のホストトラブル

ホストやホストクラブとのトラブルは、ホストクラブを利用した時の売掛金に関することだけではありません。それ以外のトラブルについて見て行きましょう。

同棲しているホストと別れる時に「未払金」を請求された

ホスト通いをしているうちにホストと恋愛関係になり、同棲を始めるというケースは少なくありません。関係が良好なうちは、「今回の飲み代は俺が持つから」と言われたり「売掛は分割で払えるときでいい」と言ってくれたりしていたのに、関係が悪化して別れる段になったとたんにその時の売掛金を請求される、というトラブルに遭うことがあります。

女性の立場としては「実際にホストクラブで使ったお金だから払わなければならないのではないか」と考えるかもしれませんが、ケースによっては支払い義務がないこともあります。
特に、「今回の支払いはしなくてよい」と言われており、支払いについての取り決めも行なっていないのであれば、そもそも債務が成立しているとは言い難いため、支払い義務はありません。

このようなトラブルで金銭を要求された時には、その根拠となる書類を出すようホストに要求し、債権が存在するかどうかを確認する必要があります。同時に弁護士に相談して具体的な対処法を決めておく必要があります。

ホストが負っている借金を肩代わりした

ホストと親しくなり、ホストが個人で負っている借金の保証人にさせられる・債務者にさせられるといったトラブルもあります。脅迫や暴行によって保証人になったり債務者になったりした場合には、契約の無効を主張することもできますが、納得して保証人や債務者になった場合は後から契約の効力を争うことは難しいものです。

このとき取れる手段として、①自分が保証人になってしまった場合には貸主の合意を得て保証人を外れる②自分が借金の債務者になってしまった場合は、別に自分とホストの間で消費貸借契約を交わし、自分が貸主に返済している債務と同額の債務をホストから自分に返済させる などの手段が考えられます。

しかし、そもそも交際相手に対して借金の肩代わりを求めるようなホストに返済能力があるかどうかは疑問ですし、契約して書面を交わすことを拒否するケースも考えられます。早急に弁護士を間に入れ、法的措置を取ることをお勧めします。

ホストクラブで売掛金などのトラブルに遭ったら弁護士を間に入れて解決を

ホストクラブやホストと利用客とのトラブルは後を絶ちません。その多くが、ホストクラブに対する売り掛け金が絡むトラブルです。売掛金回収の際に暴行を加えられる・脅迫される、空白の借用書にサインさせられるなど、売掛金の存在自体を争うことができるケースは少なくありません。

しかし、法的知識や経験が豊富でなければそれに気づくことも難しいものです。気づいたとしても、相手とうまく交渉し、自分の有利になるように話し合いを進められる人は多くないでしょう。

法律と交渉のプロである弁護士に早い段階で相談しておくことで、売掛金を減らすことができるかもしれません。また、すでに脅迫や暴行の被害を受けているのであれば、早々に対処する必要があります。

ホストトラブルに遭って弊社に相談してきた方の多くが、家族や職場に知られたくない、風俗で働くしかないのではないか、破産しなければならないのかなどとずっと一人で悩んでいました。

もしもあなたが同じように悩み苦しんでいるならば、勇気を出して弊社にご相談ください。弊社に所属する弁護士は、数々の風俗・ホストクラブトラブルに対応し、解決に導いてきました。豊富な経験と実績で、必ずやお役に立てるよう、誠意をもって全力で取り組んでまいります。